1.基本的な姿勢

“活動の質” 2007年度の豊田青年会議所は、このことにこだわる1年でありたい。
明るい豊かなまちづくりに向けて「何に取り組むか」を考える前に、我々はいま一度「活動の質」について明確な基準を持ち、意識を統一しなければならない。

青年会議所の付加価値とは「JCらしい活動・JCならではの活動」をもってまちづくりに貢献することにある。
ではJCらしい・JCならではの活動とはどんな活動か? つまり我々はどんな「質」の活動をしてゆくべきなのか?

それは「6つの質」に集約される。

(6つの質)
@ ひとつのテーマを「継続的」に活動し、その活動と精神を地域に根付かせること
A 地域のNPOなど様々な団体と「連携」し、相乗効果を生み出すこと
B まちづくりに市民・行政だけでなく「企業を巻き込む」ことができること
C JCネットワークを生かし豊田市に留まらず「全国各地をつなぐ」ことができること
D 「経済人としての視点」からモノを見て、斬新な発想・手法ができること
E 活動を通じて「実際にまちが変化したという成果」を生み出すこと

この視点で我々の活動を考えたとき、現実にはそれを充分に成しえていないことに気づく。
しかし豊田青年会議所は、これら「本来JCが持つべき」活動の質と成果を生み出す力を充分に持っているはずである。

たとえば「継続的活動」という質が何故重要であるかというのは、まちを本当に変化させようと取り組むとき1〜2年で急激な変化を望むのではなく、5年あるいは10年というスパンでひとつの活動を地道に継続してゆかなければ本質的な変化が生み出せないからである。
しかし実際には、豊田青年会議所は過去に素晴らしい事業をいくつも生み出してきたにも関わらず、継続させずに数年で別の活動に移行してしまうということがよくある。
このことを「JCは単年度制だから」と、制度やしくみに原因があるとするむきがあるがそうではなく「10年かかってでも本当にまちを変えよう」という信念が継承され難いという、我々自身の姿勢に問題があると自省しなくてはならない。

青年会議所は営利団体ではない。ないがゆえに、その活動の質や成果については誰からも明確な評価を下されない。つまり自らを律するしかなく、それを怠ると、豊田青年会議所の存在そのものは残るかもしれないが、気付かぬうちに青年会議所の存在価値は希薄になってしまう。

 かつて仲間と会員数の減少などの問題を議論していたとき「価値のある活動をすれば、自然に人は集まってくるはず」という考えは「理想論に過ぎない」とされた。
しかし、この理想論こそ、いまの豊田青年会議所に必要なことであり、またこの信念で活動することで市民の認知と信頼を得、さらにはメンバーの自信やモチベーション向上につながると私は信じる。
またこれは、価値のある活動を継続してゆかなければ、豊田青年会議所の存在意義がなくなるという、本来我々が持つべき危機意識の裏返しでもある。

このことを2007年度方針の第一義とし、すべての活動に対し「JCらしさという活動の質」と「実際にまちの変化という成果を生み出す」ことを追及してゆく。


2.活動の方向性

 まちづくり活動には

「現在の我がまちに存在する様々な問題の解決に取り組む」という面と「まちに新たに何かを創り出す」という両面が必要である。
さらに青年会議所の活動においては、この2点に加え「会員自身が自らを磨くこと、あるいは自らが所属する企業を成長させることが豊かなまちづくりにつながる」という視点も欠かしてはならない。

このことからを本年度は

@ 問題解決型のまちづくり活動
A 創造型のまちづくり活動
B 会員の自己研鑽活動
C @〜Bを効果的・効率的に進めるためのサポート活動

の「4つの方向」から、JCらしさという活動の質を重視しつつ取り組む。

3.具体的な取組み

(1)問題解決型のまちづくり活動

 現在の様々な課題に対して「日本のこころ再興」と「地域の安全・安心」の2つの視点から取り組む。

近年「道徳心・倫理観の荒廃」「国民としての誇りの欠如」「平和ボケ」などと日本人自身が自らを表現している。これは決して自嘲しているのではなく、日本人の多くが自身の精神の乾きや国の未来を憂いているのだと私は捉えており、同時に「日本のこころ再興」への取組みは我々の大きな使命のひとつであると考える。
「日本のこころ再興」には様々な側面があるが、本年度は「歴史教育と日本人の道徳」という切り口で活動する。
歴史教育というものは、その国や国民としての自己を再認識する極めて重要な教育であるが、近年「自虐的歴史観」と表現される第2次世界大戦前後の日本史を我々がどう正確に理解し、どう伝えてゆくかという視点から、日本人としての誇りや道徳を取り戻す活動へとつなげたい。

  またこの地域でも、子ども・女性・高齢者などが被害者となる事件の発生が身近且つ深刻な問題と化し、また災害への不安や対策が叫ばれるなど「地域の安全・安心」を求める声はとみに高まっている。これに対し将来的に地域に根ざした活動への発展の礎を築くべく「安全・安心なまちづくり活動」を推進してゆく。

(2)創造型のまちづくり活動

  明るい豊かなまちづくりへむけて新しいものを創造してゆく活動としては「さらなるモノづくり中核都市へ」と「自然との共生」をテーマに取り組む。

  豊田市は「モノづくりのまち」というアイデンティティをさらに高めてゆかなくてはならない。

 これまでは小学生を対象とした活動が多かったが、本年度の活動では、特に将来の道を選択する重要な時期にある中学生・高校生を対象にし、モノづくりや技術開発・エンジニアリングの素晴らしさ・ロマンを伝えてゆくことで、さらなる「モノづくり中核都市創造」に貢献したい。

  また、愛・地球博を通じて高まった「自然との共生」の意識をさらに醸成し、この地域に根づいた風土とするため、自然とのふれあいをテーマにした「エコキッズ事業」を推進する。

(3)会員の自己研鑽

  会員自身が自らを磨き、また所属する企業を成長させることが、豊かなまちづくりにつながるという視点、また青年会議所のメンバーは常に地域に信頼される企業・地域に欠かせない企業を目指さなくてはならないという信念のもとに「ビジネスモラル」と「コミュニティビジネス」をテーマに活動する。

 単なるビジネスノウハウではなく、企業と地域社会との関わりという視点からの活動であり、
両テーマを通じて「自己研鑽と地域発展との接点」を再確認し、青年会議所活動のさらなる充実につなげたい。

(4)諸活動のサポート

 (1)〜(3)の諸活動を円滑かつ効果的に進めるため、

@ 本年度の活動について市民や地域の企業へのPRを図り、さらなるご支援や活動拡大につなげることを重点にした「広報渉外」活動
A 本年度より一層重視する継続活動の重要な担い手となる「会員開発」活動
B 会員相互のコミュニケーションを深め、チームワーク醸成とシナジーを高める「会員交流」活動
C 活動の本質を見失わず、意味のある合理化・効率化を図る「事務局」活動

の4方向からの活動にも同様に重点をおく。

これらサポート分野の各活動には「新たなスタンダードづくり」を強く意識し、過去の伝統・慣例を尊重しつつ現在の青年会議所に相応しい見直しを行う。

4.まとめ

  2007年度は「活動の質」というキーワードに基づき、豊田青年会議所がこのまちにとって欠かせない存在となるステップアップの年としたい。
 そして私は本年度の活動が次年度以降も継続されるに値するものとなるように尽くしたい。

わずかな変化でも構わない。

我々の活動により、まちや市民が変化したという事実を生み出すことに、我々は使命感を持ち、責任を負わなくてはならないのだ。


第48代理事長
陣内洋明

2007年度