一般社団法人豊田青年会議所

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理事長所信

2018年度理事長所信

一般社団法人豊田青年会議所
第59代理事長 山田洋介

 

目標や願望とでもいえるものがないと前に進むことはできません。夢やビジョンという遠く先にある景色を想い描いた時、歩く道のりは彩を放ち、日々の歩みに達成感や充実感を添えることができます。まだ見えぬ景色までの距離に絶望しそうな時は、目に見える道しるべを頼りに歩を進めます。道に迷わぬよう、自分のいる位置を明確にする術も大切です。スタートはいつも、自分のいるところからしかできないのだから。

 

【はじめに】
~未来を予測する最も確実な方法は、未来を創りだすことだ~

 

将来の展望が拓けないとき、今後の情勢や市場はどうなるかといった未来について様々な予測に頼りたくなりますが、こうした予測は当然ながら不確実なものです。一方で、自分が行うことの展開については、自分で予測できるのは当然で、自分で創る未来こそが一番確実です。国内では少子高齢化が本格化し、国際的にも政治経済情勢が予断を許さない中、未来を案じて悲観的になっているよりも、その未来を強い意志で自ら切り拓いていくことこそ、私たちに求められていることなのです。

 

~つながりが生み出す共創社会へ~

変化を常とする現代社会において、人と人、人とまち、まちと世界、過去と未来などありとあらゆるつながりの中で私たちは生かされ、そしてまた、つながりの在り方も時代と共に様々な変化を遂げています。
私たちの住むこの豊田は、1951年に拳母市より市政施行されて以降、今日に至るまで12の市町村が合併されてきました。また、世界的自動車産業の拠点があることから国内外より多様な文化をもつ市民を迎え入れ、その時々で新たなつながりが生まれ、多文化共生都市として発展を遂げてきました。そして、現在の日本において、戦後続いてきた人口増加、経済成長は過渡を迎え、将来的に消滅の危機にさらされている地方から独創的なまちづくりに着手する機運が高まっています。財政豊かな豊田においても対岸の火事ではなく、このまちに住まう私たち自身が当事者意識をもって新たなつながりから新たな価値を共に創り、新たな豊田の未来を強い意志で切り拓いていかなければならないのです。

 

【まちづくりはひとづくりから】

青年会議所は40歳までという制約されたときの中で活動する組織であり、青年会議所運動を未来の豊田へつなげていくためには、持続的に新しい同志を迎え入れる必要があります。私たちは地域の発展に寄与することが使命であり、豊田を持続的に発展させる真のリーダーとなりえる会員の拡大が必要不可欠です。
会員の拡大は青年会議所の基盤運動とも言われており、新たな同志を迎え入れるには、私たちが新たな同志に対して豊田の発展のために、ひたむきに活動している姿勢を感じ取っていただき、青年会議所運動で得た学びや気づきを伝えていくことが必要です。私たちは、新しい同志が活動を通じて、つながりへの感謝の心を醸成させ、ものごとに誠実に向き合う「生き方」を実践できる真のリーダーとなることにより、豊田の未来を切り拓く人材へと成長させてまいります。

【持続可能な共創するまち】

2027年に東京、名古屋間を40分で結ぶリニア中央新幹線の開通が予定されており、大都市へのヒト・モノ・カネの一極集中は益々加速することが予想される中、地方では、生産年齢人口の減少も相まって、一層の打開策を講じる必要性に迫られています。豊田においても生産年齢人口の減少は既に始まっていますが、産業による発展だけに頼らない、特色あるまちづくりに対しての機運は高まりつつあります。この豊田は、市町村合併により多くの地域資源を有しており、それら地域資源を掘り起こし新しい価値を生み出すことが特色あるまちづくりにつながっていくのです。
新たな価値を生み出すには、地域資源のもつ魅力を発見、再認識し、その価値観を共有し、地域資源を戦略的に展開していく必要があります。大切なのは、そのプロセスにおいて地域内外のつながりを効果的に結合することです。つながりは信頼を生み、知や情報を深く共有することができ、また、新たな異質な情報が流通する効果もあります。私たちは、新たなつながりから新たな価値を生み出し、持続的に発展できる豊田を共創してまいります。

【女性が生き生きと働けるまち】

我が国では、社会の成熟化に伴い個人の価値観が多様化し、新しいライフスタイルに対応した様々な暮らし方や働き方が選択できる環境整備が求められています。この豊田においても同様ですが、特に女性の社会参画意欲や経験、能力を活かすことができる労働環境、社会環境の整備が求められているといえます。男性人口比率の高さは全国トップクラスとなっており、女性労働力率においても全国・愛知県の水準を下回っています。このことを、男性にとって働き甲斐のある仕事、安定した収入のあるまちととるか、女性にとっての労働環境、社会環境の整備が不十分ととるか、極端にいえば答えは両者であるといえますが、まちづくりにおいては後者を追求すべき問題と捉える必要があるのではないでしょうか。
女性の社会参画意欲を考える上で、ワークライフバランスは欠かすことのできない要素です。結婚、出産、育児、介護など様々な理由で働きたくても満足に働けない人は多数存在し、それらは総じて未だに女性への負担が大きいのが現状です。こういった社会環境の整備は国や行政に任せるだけの問題ではなく、市民、行政、企業、地域社会を構成する私たち自身にとって包括的に課せられた問題なのです。私たちは、産官民一体となり、女性の社会参画意欲が向上するような社会環境の構築を目指し、その上で、新しいライフスタイルに対応した働き方、働く場を提案できる魅力ある豊田を創造してまいります。

【進化させるインバウンド】

東京オリンピック・パラリンピック競技大会の開催を控え、政府は2020年までに訪日外国人4000万人、訪日客消費額8兆円の達成という目標を掲げています。観光立国への挑戦は、これまでのモノづくりを前提とした国づくりの方向を転換させるだけの大きなインパクトをもっているといえます。地方でもこの流れは伝播しており、産官民あげてインバウンドを拡大すべく様々な取り組みが行われ、私たちのまち豊田も2019年に開催されるラグビーワールドカップを起点に国際都市としてさらなる飛躍をとげようとしています。行政のみならず全産業、そしてプロのみならず全市民が「これからはインバウンドの時代」であることを自覚し主体的に関わり、インバウンドを進化させていく必要があります。
インバウンドの成功のためには、行政や公共セクター、飲食、物販、宿泊施設、観光拠点などあらゆる担い手が有機的につながり、全国そして世界に情報発信し、外客をおもてなししなければなりません。なかでも情報発信は重要です。情報発信力とは、価値ある思いを抱き、他者に与える力なのです。目に見えるモノではなく、その目に見えるモノを支え、惜しみなく与え続けられる「生き方」に惹き寄せられて、人が、富がやってくるのです。私たちは、インバウンドを進化させる思いを同じくするプレイヤーたちと共に、オンリーワンの価値を創り出してまいります。

【スポーツの力が織りなす民間外交】

スポーツによって得られるものは、競技力や体力の向上といった直接的なものばかりではなく、個人の人格形成や生きがいに深く関わり、人が社会を形づくる上でも重要な役割を果たしています。オリンピック憲章の根本原則には、「いかなる差別をも伴うことなく、友情、連帯、フェアプレーの精神をもって相互に理解しあうオリンピック精神に基づいて行なわれるスポーツを通して青少年を教育することにより、平和でよりよい世界をつくる」という一節があり、スポーツには世界との友情を育み、安全保障にも資する民間での外交を可能にする力があるのです。
このまちで2019年開催されるラグビーワールドカップを絶好の機会と捉え、このまちに居住する多くの外国人のみならず、新たなつながりを巻き込み、市民との草の根レベルでのスポーツを通じた民間外交を推し進め、来るべき国際大会に向けまちを活性化させる必要があります。私たちは、2012年より継続して開催されているJCフレンドリー
カップタグラグビー事業で世界との友情を育み、世界とのつながりをより身近に感じられる機会として開催してまいります。

【未来を生きる力】

近年のインターネット社会の進展は、世界中で情報化を推し進め、世の中にこれまでなかった全く新しい価値を生み出す一方で、幼いころから多くの情報を享受する環境の中にあった現代の青少年の生き方にも大きな影響を及ぼしています。その影響の一つとして、バーチャルな世界が優先されるようになると、実際に体験することによって初めて得られる経験や感動、人と人との感じ方の違いや価値観の違いなど、数値ではデジタル化しにくい物事は、時に軽視される方向に進むことがあります。友人関係の希薄化やコミュニケーション能力の低下という現象にはこのようなデジタル化していく現代世界という社会的背景も要因となっているのではないでしょうか。
この情報があふれる世界にあって、青少年が自らの目で確かな情報を見極めることや課題を自ら見つけ解決していく能力、他者を受け入れつつ自己の考えや気持ちを相手に直接伝えるコミュニケーション能力など、すなわち生きる力が必要となってきています。私たちは、課題の探求や解決能力を育成するような直接体験を通して学んでいく場と機会を青少年に意図的に提供できる仕組みを構築し、未来を生きる力を醸成してまいります。

【選択する未来】

2016年、選挙権年齢が18歳に引き下げになったことから全国で新たに約240万人の有権者が加わりました。直近の2016年参議院議員通常選挙では、豊田市の10代の投票率は63.41%と全国的にみれば比較的高い結果となりましたが、20代30代の投票率は依然として低くなっています。2008年をピークに日本の人口が減少に転じ、2060年には実に国民の5人に2人が高齢者となると推測されています。若い世代の声をいかに政治に反映させるかは喫緊の課題であり、「シルバーデモクラシー」が語られる中、18歳選挙権はそれに対して象徴的な意味をもつことになるでしょう。加えて、民主政治は現役世代の利害が表面化される傾向があり、これに反対するのは、来るべき将来世代、つまり、青少年やこれから生まれる世代です。
若き有権者たちが政治への関心を投票行動に結びつけ、積極的に政治参画する未来へとつなげていくことが重要です。そのために物事の本質を捉え、将来世代のトップバッターとして未来を見据えて政策を判断し投票することが求められます。私たちは、主権者意識や政治リテラシーをもった市民自らの投票行動によって主体的に未来を選択していく社会をこの豊田から推進してまいります。

【JCとしてのブランディング】

インターネット社会が進展し、様々な情報が簡単かつ大量に入手できるようになった反面、「知っている人は知っているが知らない人は知らない」という情報の偏在がますます拡大しています。これを埋める手段の一つは、アナログな情報伝達、特に口コミのような確度の高い手段を用いることが挙げられますが、こうした方法は伝達確度が高い反面、伝達のスピードや範囲が限定されてしまいます。この両者の欠点を補い、それぞれの良いとこ取りをする方法として、SNSやクラウドファンディングの活用があります。大事なことは、こうしたIT活用によるアナログ情報の拡散という一見矛盾する方法の前提として、情報発信者の経験や考え方という物語が存在し、その内容に共感が得られるものであることが必要です。
求められる価値が、単なるモノの価値を超えてコトの価値(経験価値)へとシフトする中、適切なかたちで価値を伝達し実現することの重要性は急速に高まっているといえます。青年会議所の経験価値とは価値が情報接触や共感を得る過程を経てつながりへと転化した結果であり、このようにして形成された市民と青年会議所とのつながりをベースにしてこそ、1回限りでない長期間にわたる継続的な交換的関係が成立するのです。私たちは、「価値は市民と青年会議所が様々なつながりで共創する体験の中から生まれる」という「価値共創」の側面からJCブランディングに着手してまいります。

【つながりへの感謝】

(一社)豊田青年会議所は、56年間の長きにわたり、様々なつながりを構築し、そのつながりに生かされながら地域社会にその足跡を残してきました。このまちをより良くしようという同じ志をもった賛同者とのつながり、その時代に先駆けてこのまちにインパクトを与え続けた先輩諸氏とのつながり、「明るい豊かな社会」の実現を共に目指す日本・世界各地の同志とのつながり。私たちは、今日まで与えられた、ありとあらゆるつながりに心の底から感謝し、未来を創る新たなつながりを誠実な行動をもって構築してまいります。
私たちを支えてくれる身近なつながりへの感謝は、最も忘れてはならないものです。心の底からの感謝は誠実な行動を生み、身近なつながりに良い変化をもたらします。私たちは、そんな身近なつながりの変化が、「明るい豊かな社会」への大きな一歩となることを信じて活動してまいります。

【青年会議所の組織運営】

青年会議所は社会の諸問題を時代に先駆けて解決すべく、社会的使命を掲げ、目的達成のために青年が英知と勇気と情熱をもって行動に移していく組織であります。一方で、青年会議所は、社会的貢献という成果を出さなければ存続することはできません。青年会議所の組織運営を機能させ、成果に導くのはメンバーであり、また、業種や考え方の異なる多様なメンバーの集合体が青年会議所という組織です。
青年会議所の運営を好循環させるためには、組織に属するメンバーの人間関係が極めて重要な要素になります。その中核にあるのは、ものごとの見方や考え方、活動に対する心構えであり、コミュニケーションの在り方です。個々のメンバーがそれぞれに活動とは何か、運動とは何か、自分は何をすべきかを考えて行動し、経験を深める中で段階的に能力を高めて発揮することが組織の活動に良い結果をもたらします。私たちは、組織運営を好循環させ英知と勇気と情熱をもって時代に先駆けて豊田の未来を切り拓いてまいります。

【結びに】

人を感動させ、喜ばせる共感力は誰もが潜在的にもっているものです。しかし、その力を発揮させることは容易なことではありません。いかに自らを磨く努力を惜しまないか、心の底から変わりたい、変えたいと思えるか、あらゆるつながりに感謝し、あらゆる事象に誠実に向き合えるか、そんな「生き方」こそが周りに共感とポジティブな変化を生み出し、未来を創る原動力となるのです。

 


『人の価値とは、その人が得たものではなく、その人が与えたもので測られる』

アルベルト・アインシュタイン

私たちは、人へ、まちへ、国へ、世界へ、未来へ向けて、「与えられる存在」でありつづけられるよう歩を止めることなく邁進してまいります。そんな「生き方」を誰かが「見て」くれていることを信じて。


2018年度活動指針

1 市民の現実・ニーズ・価値を徹底的に調査研究し、変化を自らが創り出していく。
2 すべての活動について、目標を明確にし、結果をフィードバック分析しながら、組織に
還元し、軌道修正をしていく。
3 よりよい社会の実現のために市民、行政、企業、他団体とのつながりは、互いがWIN
―WINとなる関係を構築していく。